バルセロナのサッカー -19-20 LaLiga 最初のEl Clasico2-
12月19日 本来なら10月26日に開催が予定されていたがカタルーニャ独立運動のため延期されていたエル・クラシコがカンプ・ノウで開催された。
ここまでのリーグ戦で両者の勝ち点は同じで得失点の差でバルセロナが1位マドリーが2位という位置づけで迎えた第10節である。
どちらにとっても勝ち点3を取れば単独トップの座を獲得できる絶好のチャンス。特にバルセロナからすれば舞台がカンプ・ノウということで、ここで勝ち点を落とすわけにはいかない重要な試合だった。
両者のスタメンは以下の通り、
バルセロナは伝統の4-3-3 マドリーは4-1-2-1-2を採用してきた。
前半からマドリーの守備は基本ハイプレス。剥がされて自陣に入られるとすぐに戻ってボールホルダーにプレスに行き、後ろはブロックを作って隙間をなくす。ほとんど完璧な守備の形を作られた。
そしてなぜか戦術的な意味合いということで、ピボーテはブスケツではなく、ラキティッチがチョイスされ、右のインテリオール にはセルジロベルト、ラテラルはセメドがチョイスされた。この試合でジョルディ・アルバとセメドが怪我から復帰した事は大きいニュースだった。
メンディとのマッチアップでセメド、攻撃のタスク、カゼミロの脇を使った裏への動きという事で、セルジロベルトだったのか、、
ブスケツよりも守備時も攻撃時もポジショニングのいいラキティッチを使うことと、イスコ対策だったのかもしれないが、中盤3枚はどう考えてもここまで調子の良かったラキティッチ、ブスケツ、デヨングがファーストチョイスになるべきだっただろう。
ブスケツの強みは相手を剥がす個の力と周りを見る目だろう。自陣の深い位置で、ワンタッチで剥がし、空いたスペースをうまく使えるようなパスで中盤を支配し、試合の流れも変えられる。特に今回のマドリーのようなハイプレスのチーム相手にはこれがとても有効なことはわかるはずだ。それに比べ、ラキティッチはプラスがかかると後ろに下げることが多く、デヨングなんかがスペースに抜けるシーンが少しもったいないと感じた。なぜバルベルデ監督はかれを使わなかったのか、説明する必要があるはずだ。
メッシへのアプローチ
どんなチームもメッシに対するアプローチの仕方はかなり考えて試合に臨んでくる。
今回もマドリーはメッシに対してはカゼミロを当てる選択をしてきた。しかし、昨シーズンのくらしこに比べカゼミロとのマッチアップがなかったのが試合を見ながら気になっていた。
では、どうしてそうなったのか、それは、ある程度浅い位置でメッシがボールを持った時には強くあたりに行くよりも早くブロックを作ることを心がけていたのではないかと思う。もちろん1人でなんでも解決できるメッシだが、衰えがあることは否めない、ある程度サイドに来た時は2人で寄せてクロスをあげさせない。真ん中にいる時はカゼミロが寄せる。メッシに仕事をさせなかった。
裏を取る動きできちんと崩せたのはメッシ→アルバでアルバが外したシーンくらいだろう。
マドリーとの差がどこにあるのか?
正直褒めるのは心苦しいがバルセロナよりもマドリーの方が試合はうまく運んでいた。攻撃においても守備においても上回っていたのは見ればわかるし、数字にも現れていた。何に違いがあるかといえば、推進力と攻撃の幅の広さだろう。(あとは3年前くらいからなくなってないなんとなく勝てるだろ感かな?笑)
バルセロナは攻撃時(カウンター時)に周りからの押し上げがかなり遅い攻撃をし終わったスアレスはオフサイドラインよりもだいぶ前にいるし、サイドの上がりは時間が経つにつれて質は悪くなるし、スピード感もない。
また相手のブロックの前でボールを持っているときに、相手のブロックを崩すような裏への動きだったり、斜めに入っていってドリブルをするスペースを作るなどの動きが見られない、とくに再度の攻撃時は、逆サイドの動きがないから幅をとってサイドチェンジもできない。
元々ロングボールをつかう事はあまりないチームだとしても、パスだけで崩せる相手ではないし、それを実行できる選手がいるわけでもないから、そういった意味でできる戦術の幅も広げていく必要があるのを感じた。
この後もCLラウンド16を残し、コパデルレイも始まろうとしているバルセロナだが、攻撃時においても守備においても課題が残ってしまう試合だった。
(守備に関してはマドリー戦だけに限ることではないので次に書こうと思う。)
バルサからすればカンプノウだっただけに勝っておかなければならない試合を落としたのはかなり大きい。