美しいサッカーを求めて -FCバルセロナ-

バルセロナの過去・現在・未来について

バルセロナのサッカー   今のバルセロナに思うこと

非常に良くない状況だと。それは誰がどうみてもそう感じるだろう。もちろんチーム状況として、怪我人が多いことも悪い状況だが、それよりも悪いことがバルサ上層部に起きている。

 

 

議論すべきことは、

1.カンテラーノの扱い方

2.フロント、監督、選手の関係性

 

1.カンテラーノの扱い方

これについてはかなり前から議論の対象になるべき事実だった。カンテラーノを移籍させ、別の選手を外部からとってくる。なんとも言えない屈辱的なやり方だと。

 

そもそもカンテラを設置している意義を理解しているのか?

バルセロナにはクライフが持ち込んだこのチーム唯一無二の哲学が存在する(今回これについては触れない)。その哲学を理解し、修得するのには時間を要する。トップチームでその哲学を実行できる選手たちを育て上げること。それがそもそもカンテラを設置してる意義だと思う。

 

 

しかしバルセロナのフロントはそうは考えていない、ある程度の技術を持った選手を育て、その選手を外に出すことで資金を調達しているようにしか見えない。もちろん買い戻す意思を示そうとしていることもあるが、それを実行した例はほとんどないし、そういった選手へのリスペクトが欠けているフロントの振る舞いをみたカンテラーノがなにを思っているのかほんとに怖いというか、気が気でならない。

 

ペップグアルディオラが成功したのはそうした哲学を理解した選手を積極的に使っていたこともあるだろう。キケセティエン監督はバルベルデ監督よりもカンテラを使う努力はしてるしファティのように結果につながる事例も増えている。

 

バルセロナの哲学を理解するのが難しい話は先ほどもしたが、外部から選手を呼んできてもどうしてもその哲学に完璧にはまらない選手は少なくない。バルベルデの時に見られたことは外部の選手が多いことでその哲学が失われつつあったことだ。もちろんメッシ・スアレスの守備が大きな要因だとは思うが、それでもあの頃のバルセロナバルセロナではなかった。

 

これがバルセロナの未来につながるものかと言われたらそうではない。個人的にはクライフがもたらした哲学を失うことはバルセロナらしさがなくなることだと思ってることもあって、カンテラーノは積極的に自チームで育てるべきであって、他のチームに出して外から選手をとってくることは極力控えるべきだ。

 

チームには低迷する時期が来ることは仕方がない。成長するのには時間がかかる。それでもバルセロナカンテラが未来に期待を持てるように、サポーターがその哲学をいつまでも見たいと思うようなチームを作るためにはそういった方向性を示す必要がある。

 

ただいまのフロントに関してはそれを見せてないところを見ると今後も同じ過ちを繰り返す可能性は十分にある。

 

そう考えるとやはり、バルセロナの未来のために彼らには解任してもらう必要がある。

 

2.フロント、監督、選手の関係性

最近はよくこのことが囁かれている

ラキティッチバルベルデ監督の関係性

アビダルの問題発言

 

はじめに監督はどちらの立場にも傾いてはいけないとは思うがフロント側に寄ってしまうのは仕方ないという前提がある。契約はクラブとしている。あくまでもフロントの意向に従ってチームづくりをしていく。

 

ラキティッチバルベルデ監督

ラキティッチ「1月の移籍市場で退団を考えていた。バルベルデのスタッフの扱いは最高のものではなかった。良くない時を過ごしたが、今となっては過去の話だ。はっきり言うと、気に入らないことがあったんだ」

 

ラキティッチはルイスエンリケ監督時代からバルベルデ監督1年目までハイパフォーマンスでバルセロナの中盤で黒子に徹し、気が効く素晴らしい選手としてプレーした。しかし、バルベルデ監督2年目あたりからそのプレーの質は下がっていたのは明らかだったし、そのプレーが原因で決定機を作られらことも少なくなかった。

 

ラキティッチは出場機会を失うようになっていく、しかしそれは仕方のないことだ。アスリートの世界では使えない選手は使わない。それがチームのために監督が行う義務であるし、その判断を行うのも監督の義務である。選手個人の感情はそこまで関係ない。

 

ラキティッチが語ったことが本当であるとしたら、これまでのバルセロナの中盤を支えた選手に対するリスペクトがなかったと言われても仕方がない。試合に出る選手でない選手の扱い方をどうしなければならないかは特にバルセロナのようなビッグクラブにおいてはかなり難しい問題になってくる。

 

ただ、ラキティッチがそれを話す必要があったかと言えばそうではない。自分の不満を公共の場を使ってぶちまけるのは人としてもアスリートとしてもするべき行為ではない。チームメイトや、ファン、監督に及ぼす影響が少なからずあることを考えなければいけなかった。

 

それでもそこからわかることはラキティッチとクラブの関係はそこまで良くはないということ。お互い影響力が大きいだけに発言内容には責任を持たなければならない。

 

それと似たことがSDのアビダルが発言したことにあった。

 

アビダル「多くの選手はエルネスト・バルベルデ前監督の下で満足していなかったか一生懸命に取り組んでいなかった。バルベルデ前監督とドレッシングルームの関係は常に良好だったが、元選手として私が感じ取れる(不穏な)雰囲気がある。私はクラブに自分の考えを伝え、私たちは(解任の)決断を下した」

 

バルベルデに関して選手たちが不満を持ちそれをアビダルがフロントに伝え解任させたと。ただこれには多くの語弊があった。メッシもインスタで話したように、誰がどのようにどんな不満を持っているかそこで言及するべきだし、それを理由にして監督を解任させるなんてあってはならないことだ。

 

もちろん現地で彼らを見ているわけではないしわからないことも多いが、選手たちがバルベルデに対して悲観的な見方をしていたとは思えない。特にメッシ(キャプテン)は少なくともバルベルデを好んでいた。ある一部の選手の間にそういった感情があったかもしれないがそれをチーム全体として、という言い方は間違っている。

 

ただでさえいまのバルセロナのフロントが良くない目で世間から見られていることを考えてもこの発言はよりバルセロナというチームに不穏な空気を流すことになるし、いい印象はなくなる。

 

先ほども言ったように、発言には責任が伴う。特にここまで影響力が大きい人間が発言することは世界が注目している。

チーム状況を少しでも良くしていく動きを見せたいバルセロナにおいてはそういった発言や、監督、選手、フロントの間にある蟠りがなくなるような報道が入ることを祈るばかりである。